フレゴリの錯覚

妄想性人物誤認症候群のひとつ

身の回りの様々な人物を、すべて「ある人物の変装」であると見なしてしまう妄想。
最初の症例は、27歳の独身女性の分裂病患者で、劇場に足しげく通ううちに当時の有名女優が「通行人や近所の人など様々な人物に変装して自分自身を追いかけ、自分の考えを差し押さえて別な行動を取らせる」というものであった。
現象としては「見知らぬ他人」を「よく見知った人物」と取り違えてしまう現象であり、他人への親近感やアイデンティティが拡散するカプグラ症候群と逆の現象が起きているとも言える。
ちなみにフレゴリという名はイタリアの喜劇俳優レオポルド・フレゴリ(1867-1936)からとられている。フレゴリは早変わりや物まね、パントマイムや手品師をこなし、さらには男役も女役も演じ分け、変装道具をトランクいっぱいに詰め込んで世界各地を巡ったという。